セファランチンが薄毛治療に効くのは本当なのか?

用語

セファランチンと聞いて、どれくらいの方がご存知でしょうか?少なくとも私にとっては初耳中の初耳でしたね(笑)

このセファランチンが薄毛治療に使われているとの事でしたので、調べてみました。

セファランチンとは

セファランチンの有効成分であるタマサキツヅラフジ抽出アルカロイドを含有するツヅラフジ科植物のタマサキツヅラフジは、 台湾の標高700mの山間部に自生していて、古くから原住民により蛇咬傷時(蛇に咬まれ傷を負うことであり、特に毒蛇によるも)の民間薬として珍重されてきました

1914年に当時、台北帝国大学教授の早田文蔵博士がこの植物を「台湾植物図鑑」に学名 「Stephania cepharantha Hayata」として発表した後に、 1917年に「玉咲ツヅラフジ」と命名しました。

セファランチンは、その後1934年に近藤平三郎博士らによって、玉咲ツヅラフジから抽出分離され、 1935年には長谷川秀治博士らによって、結核菌の発育を阻止する働きがあることから結核に有効であるとの報告が発表されました。

セファランチンと薄毛治療

1935年に長谷川秀治博士から発表があった後、1942年に結核の治療及び予防の医薬品として無事に承認されました。

現在は再評価の結果、効能 ・効果として放射線 による白血球減少症に用いられる内服薬と注射や、円形脱毛症や大量にフケの出る症状の粃糠(ひこう)性脱毛症に用いられる内服薬と注射

難聴、耳閉感、耳鳴および自分の声が耳に響くなどの症状がある滲出(しんしゅつ)性中耳カタルに用いられる注射、まむし咬傷に用いられる注射に改訂されました。

セファランチンはアレルギー反応を抑制する作用や、血流を促進する作用などがある治療薬です。

円形脱毛症の脱毛斑の縮小の根拠は薄いとされていますが、国内での診療実績も多いため、単発型および多発型の治療において、他の治療と共に併用されているのが現状です。

セファランチンの副作用

セファランチンの副作用の発生率は1%以下で極めて少ないと言えます。少ないとはいえ副作用はありますのでご紹介しますと

「食欲不振」「胃部の不快感」「発疹」「めまい」

などがあるようです。重大な副作用としてアナフィラキシーショックをおこすことがあるので、観察を十分に行い、顔面潮紅、じんま疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うとされています。

また、一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど慎重に投与すること。授乳中の婦人には投与しないことが望ましいとあるので、医師に相談してみるのをお勧めします。

セファランチンと新型コロナウイルス

2020年の4月に東京理科大学は、国立感染症研究所で開発されたウイルス培養技術を利用して、新型コロナウイルスを培養細胞から効果的に排除できる薬剤を見出したと発表しました。

この薬剤というのが、ネルフィナビルという抗HIV治療薬、セファランチンという白血球減少症や脱毛症、マムシ咬傷にもともと使用される薬剤なんです。

今回の研究で、ネルフィナビルとセファランチンの併用により、1日で感染細胞からのウイルスを検出限界以下に排除できることが確認されました

具体的には、ネルフィナビル(経口投与)単独治療で累積ウイルス量が約9%に減少し、ウイルス排除までの期間が約4日短縮されました。

ネルフィナビル(経口投与)とセファランチン(点滴投与)の併用治療ではさらに相乗効果が生まれ、累積ウイルス量が約7%に、ウイルス排除までの短縮期間が約5.5日となりました。

このネルフィナビルとセファランチンの併用によって、ウイルスの細胞への侵入と複製を二重に阻害する働きが分かりました

セファランチンとマムシ

突然ですが、世界中で最も人間を死に至らしめてる生物って何かご存知ですか?1位が「蚊」というのは聞いたことがあるのではないでしょうか。それではランキングをご覧ください

一位 蚊  72万人
二位 人間 45万人
三位 蛇  5万人
四位 犬  2万人

海外ですと蚊による病原菌や犬に噛まれて狂犬病でというのはありえますが、国内ではあまり聞きませんよね。

日本で毒を持つ生物といえば「蛇」が代表的だと言えます。日本に生息している毒ヘビは主に3種類で「マムシ」「ヤマカガシ」「ハブ」になります。

マムシは体長50~100cmで夏場に活動性が高く、年間で2,000人~3,000人が噛まれて病院を受診するそうです。ただし、致死量は0.1%程度と低いようです

マムシに噛まれると30~60分で噛まれた部位が腫れてきます。逆に1時間経過しても腫れてこない場合は、毒は入ってないと考えてよいそうです。

マムシに噛まれて毒が入っていた場合、治療に使われるのが

抗生剤
破傷風トキソイド
セファランチン
ステロイド
抗マムシ血清

になります。セファランチンはマムシ毒で破壊された生体組織や細胞膜の修復、安定化作用があるとされています。

しかし、マムシ咬傷に本当に効果があるのかについては疑問を持つ医療関係者もいるが、効果ありとの報告が多いので現在でもよく治療に使われています。

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