聞きなれない「悪性円形脱毛症」という言葉ですが、いったいどういった病気なのでしょう。治るのか?治らないのか?調べてみましたので、ご紹介します。
悪性円形脱毛症とは
一般的な円形脱毛症が10円ハゲと呼ばれる程度の大きさであるのは知られていますが、悪性円形脱毛症は普通の円形脱毛症に対し、全身の毛が全て抜け落ちてしまう症状のことをいいます。
通常の円形脱毛症との大きな違いは、脱毛する範囲が広いことと一気に毛が抜け落ちていく点です。
悪性円形脱毛症の初期
悪性円形脱毛症にはいくつかの段階的になって症状がみられます。まず一つ目の症状は「全頭脱毛症」です。その名の通り頭の毛が全て抜け落ちてしまう症状です。
頭頂部などにできた硬貨程度の大きさの脱毛症が、徐々に大きくなってきた場合は悪性円形脱毛症を疑った方が良いかもしれません。
もう1つは「汎発性脱毛症」と言われるものです。円形脱毛症の中でも最も重症とされていて、全身の毛が抜け落ちてしまう症状なんです。最初は一般的な円形脱毛症の大きさから始まり、髪の毛全体に広がり次いで眉毛、まつげ、陰毛など全身へと広がっていきます。
抗がん剤治療によって、全身の体毛が抜けてしまった様子などを映画やドラマなどで目にしますが、それと似たような感じといえますね。
悪性円形脱毛症の原因
悪性円形脱毛症の原因は、病原体などから身を守る免疫が何かをきっかけにして、自分自身の毛母細胞を攻撃してしまうことであると言われています。
その根本的な治療薬は現在のところでは見つかっていないというのが現状です。
悪性円形脱毛症は、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患のある人や他の自己免疫疾患にかかっている人などが発症しやすい体質と言えます。それにプラスしてストレスなどが加わると起こりやすいと考えられています。
悪性円形脱毛症を発症する引き金になるのは、ストレスが多いと言われますが、他にもインフルエンザなどのウイルス感染による高熱、疲労なども原因の1つではないかと言われています。
悪性円形脱毛症の治療
一度悪性円形脱毛症にかかってしまうと、自分自身の毛母細胞を攻撃している免疫を、免疫改善のために長期的な治療が必要になってきます。
その治療には、炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドの塗り薬である「ステロイド内服薬」や、花粉症などのアレルギー症状を緩和する治療薬である「抗アレルギー薬」、アレルギー反応を抑制する作用や、血流を促進する作用などがある「セファランチン」と呼ばれる治療薬。
画像引用元:https://www.qlife.jp/meds/rx16000.html
炎症やアレルギーを抑える作用がある「グリチルリチン、メチオニン、グリシン複合薬」といった薬が使用されます。
外用薬(塗り薬)としては、炎症や免疫機能を抑える効果のあるステロイドの塗り薬である「ステロイド外用薬」や市販の育毛薬にも含まれている成分で、発毛効果が認められている「塩化カルプロニウム外用薬」に、同じく発毛効果が認められている薬で、血管を拡張する効果がある「ミノキシジル外用薬」などがあります。
治療方法にも色々とありますので、抜け毛が目立ち始めたら早めに医師に相談することが、悪性円形脱毛症の対策として最も重要であると言えます。
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